痛風は単に痛いだけの病気か?
違います!!!
痛みは症状の一つに過ぎません。
勿論、まず痛みをとりますが、もっとも大事なことは、
他の様々な成人病の原因になるおおもと元の病気だということです。
一生涯計画的に治療し管理するべきです。
痛風発作、痛そうですネ!!
尿酸は6,0以上では体内に溶けきれず、結晶として徐々に蓄積していきます。
心筋梗塞・脳卒中・腎不全・高血圧・動脈硬化などを引き起こしてゆきます。
バリバリと活躍されている中年男性が突然死される多くの原因がこれです。
<治療の目的>は、
これらの重篤な命を取る病気を予防していくことです。
尿酸は6.0以下(4.0前後が理想)で管理します。
基準値(7.0以下)に下がっていても、6.0以上では既に蓄積してしまっている尿酸結晶を洗い出せません。
逆に言えば、検査値が理想の値4.0前後まで下がっていても、なお半年間や一年間は痛風の痛みが起こる可能性が常にあります。
検査値は血液中の値ですが、悪さをするのは体中にすでにたまっている尿酸結晶なのです。
貴方にあった薬が決まったら、根気よく飲み続けていただくこと、これに尽きます。
昔はアルコールはダメ、おいしいものはダメと食事療法を厳しく言ったものでしたが、
今は適度な運動と肥満予防を注意する程度です。
湯浴は痛みを和らげるに効果的です
付記: 医者になり始めの頃、リウマチ外来では、まだまだ重篤な痛風患者をよくみました。
傷口が開いて膿状のどろどろした尿酸結晶が流れ出てふさがらない例、
レントゲン写真で、骨・関節に虫かじり所見や穴を無数に打ち抜いた典型的な所見、
腎臓に尿酸結石が貯まって腎不全に至った例(痛風腎)等々でした。
最近は病気の本体の理解も進み、効果的な薬剤もできたおかげで、典型的な痛風の骨・関節写真を見る機会はほとんどありません。
しかし、開業以来長年の経過をさかのぼってみますと、痛風がおおもとの原因で、治療を中断したり放置した例では、結果的に、腎性高血圧を来したり、脳梗塞や心筋梗塞に至った例、それが原因で若く突然死した例などは、数多く見られます。
私の患者教育の至らなさか、患者さん自身の問題なのかはさておいて、実に残念なことです。
斎藤リウマチ科・内科・整形外科ホームページへ
シロタエギク 06,10,20、