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潰瘍性大腸炎とリウマチ

 

 

潰瘍性大腸炎とは、何らかの原因により、大腸の粘膜に炎症が起こり、びらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。

全身生のリウマチの類縁疾患で、関節痛などを訴えることも多く、整形外科ともなじみが深い病気です。

●症状

潰瘍性大腸炎を発症すると、下痢や腹痛、粘血便などの大腸の局所症状に、発熱や吐気・嘔吐、頻脈、貧血などの全身症状が起こる場合もあります。
さらに、さまざまな合併症もみられます。

腸管合併症
大腸からの大出血、穿孔、中毒性巨大結腸症などがあり、病状がきわめて重篤な場合に起こりますが、めったにみられません。

腸管外合併症≫
結節性紅斑、壊疽性膿皮症などの皮膚症状、

結膜炎や虹彩炎などの眼症状、

関節痛、関節炎などがあります。

ほかにも、口内炎、膵炎、肝機能障害、肺機能障害などが起こることがあります。

 

病状は、おさまったり(緩解期)、悪化したり(活動期)を繰り返すことが多く、長期にわたって、この病気とつきあっていくこともあります。

 

●原因

なぜ病気が起こるのか原因がはっきりと分かっていません。
最近の有力な説として、免疫異常がその原因となっているのではないかと考えられています。
(人間の身体には、外から異物が侵入した際に、それを排除しようとするしくみ(免疫機能)が備わっています。

腸管にもこの免疫機能がはたらいていますが、この免疫機能に異常が生じると自分自身の粘膜をも異物とみなしこれを攻撃して傷つけようとしてしまいます。その結果、粘膜に炎症が起こります。異物を排除するために異常にはたらく免疫機能が活発化すると、白血球が過剰にはたらき、本来ならば異物を処理するための物質を放出しつづけるため、持続する炎症が起こるのです。)

 

●治療

潰瘍性大腸炎は、原因が不明なため根本治療が確立されていませんが、最近の治療法の進歩により、多くの方が通常の日常生活を送れるようになってきました。
以前はとてもめずらしい病気でしたが、その後患者数は増え、1998年には57千人を超えています。(厚生労働省調べ)

患者さんの発症率に性別の差はなく、ほぼ1:1の割合です。

発症年齢もあらゆる年代に分布していますが、20代をピークに10代〜30代の若年齢層に多く分布しています。

 

   

      1998,8 ギボウシとツワブキ



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