<保険病名>という不思議なもの
カルテに多くの病名が並んでいますね。保険を通すためだけの病名もあります。
日本では、保険医療の制限が細々決められていて、自由が全くありません。
治療や薬の処方にも、実に制限が多いのです(ため息)。
胃薬を一つ併用するにも、<胃炎>、<胃潰瘍>などの付帯病名が必要です。
手足や神経の血行改善薬を使うために、<高血圧症>の効能病名を追加したりします。
抗ガン剤や抗リウマチ剤の副作用を抑えるために、常用されているクスリであっても、保険を通すために、<○○欠乏症>などの形式的病名が必要です。
薬の効果効能からの医師の裁量は、ほとんど認められません(ため息)。
医学的常識が、保険審査では通じないのです。
薬の効きが悪ければ、その薬量を2倍、3倍と増やせば良いのですが、できません。
現在医療においては、個々の患者さんや病状に応じた≪さじ加減≫は死語なのです。
米国の最も有名な内科マニュアルには、そのようにクスリの用法を指示されていますのにネ!!
仕方なく、薬効作用の似た薬を2種類、3種類、4種類とあわせて使わざるをえないのです。循環器科や精神科などでは、結果的に、恐ろしい数のクスリが処方されていますね。
治療処置などにおいても同様です。
医学的な問題でなく、保険を通す為のくだらない<追加病名>やテクニックが必要です。医療機関側も、支払い基金側も、お互いに認め合った不思議な制度です。
どこの病院でも、レセプト処理(請求事務)で神経をすり減らしています。
病名落ちは、問答無用、すぐに治療費を削減されます!!
病名がたりません。追加病名をお願いします、と返還されて来ることも、たまにはあります。
更に困った問題は、
患者さんのために出来るだけの努力をした医療行為が、
保険病名不足などで、支払い拒否された分を、
不正請求などと報道しています。
自己負担金を戻してもらいましょう。などと宣伝しています。
不正請求ではありません。架空請求や付け増し請求をしているのではありません。
医学的になんら問題ない治療を行い、必要と判断したクスリを処方しているのです。
患者さんは、実際それで助かり、利益を得ているのです。
そのほとんどは、保険者側からの、一方的な、重箱の隅をつつくような、経済的理由からの、支払い額削減テクニックの結果にすぎません。
もちろん政府の医療費削減政策の一貫でもあり、レセプト審査は年々きびしくなっています。
厳しい削減策として、削減額に応じた報奨金を払ってまで、
下請け民間企業へ丸投げして、保険審査を行っている公共団体もあるそうです。
医療機関側からすれば、
利益を得た患者さんから、減額された部分を補填していただきたい
と思うのが、当然であり、本音でしょう。
姫シャラ 1999,7 2006,8,16
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