患者さん向けのやさしい医療情報

救急医療の敬遠、よきサマリア人の法律

 診療報酬は切り下げられ続けています。勤務医、開業医にかかわらず、看護師などパラメディカルスタッフをふくめ医療従事者たちのモチベーションは当然のように下がっていきます。
 (
アメリカの10分の一の技術料で、アメリカの最上級(金持ち相手の有名私立病院)の診療レベルを要求されても、それは無理です。アメリカ国民の30%は医療保険もなく、日本よりはるかに劣悪な医療ですら受けられない悲惨な状況です。このことは日本国民のほとんど誰も知らないのです。マスコミも最上級の医療の上辺だけを報じて、アメリカ医療の悲惨な現実(真実)を報道していません。)

 医師としての倫理観のみで、誠心誠意医療に尽くしてきたのです。赤ひげ神話よろしく、それを当然視され、感謝されないどころか、
患者の要求は理不尽に高くなるばかりです。
しかも、
結果が悪ければ過失致死罪や過失傷害罪に問われかねません。
カネ目当てとしか思えないような
訴訟事件も頻発しています。

 
結果が罪に問われるようなら、少しでもリスクのある医療行為は敬遠されるでしょう。治療をしないのが医師自身を守る最良の策となり、助かる患者も助からなくなりましょう。それも患者自身、国民自身が選んだ結果ということになります。すでに、リスクの高い患者の受け入れは拒否され、入院先、転院先の確保も難しい状況になっています。リスクの大きい産科医療はほとんど破綻しています。


 ≪よきサマリア人の法律≫
をつくるべきです。
 医師が安心して治療できる為に是非とも必要です。医療は、本来不確実なもの、善意で行われた医療行為は、その結果によって罰せられるものではない事を国民へしらしむべきです。

 
医師は神様ではありません。最高の名医でもかなりの確率で誤診します。誤診は罪だと言われれば、医療は成り立ちません。

人間は死んでいく動物です。
本来病気や事故で死んでいたものを、ただ助けられなかっただけです。殺人罪や傷害罪にあたるはずがありません。

 昨今の司法検察側の摘発方針、
 医療供給に対する刑法・民法など一連の法体系不備の露呈、
 それらをさらに煽るマスコミ、正義の仮面をかぶった弁護士やエセ人権団体、
など等の医療を荒廃させる諸問題も、一気に噴出してきました。


         2007.7.22

  
     
空木(卯の花)2007,4,20


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