医療費増額の財源はないのか?

http://www.med.or.jp/nichikara/18issympo/18issympo7.pdf
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日医総研の取り組み
日本医師会総合政策研究機構主席研究員
前田 由美子

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日本は、一般会計予算は80兆円、そのうち社会保障費が 20兆円国債と地方交付税を除いてみると、4割も 社会保障費が食っている。これは大変だと言われています。

ところが、 日本には別に、31の特別会計があります。連結してみると、歳出規模は260兆円にもなります。社会保障費20兆円をこつこつ 削っていけば何とかなるというような規模の話ではありません。

連結予算で見ると、歳入が290兆円、歳出が260兆円、30兆円の余剰金 があるのです。
こんなもんを役人に持たせておいたら大体ろくなことには なりません。
(裏金にしたり、天下り先をさらに増やすだけです。年金、社会保険、国民保険を他に流用して、つまみ食いし、莫大な損失をすでに国民に与えているではないですか。)

また官僚天下りの温床組織(独立行政法人)にも、単年度補助金(運営交付金など)が3兆円出ています。出資金ベースでは、毎年10兆円以上のお金がこのような天下り先に出ています。


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医療福祉予算を倍増する
財源は十分ある



独立法人を次々作って、役人の天下り先を確保し、世間常識からかけ離れた高給や退職金をとって、数年ごとに渡り歩いています。ずるがしこい合法的公金横領といわれても仕方ないでしょう。
既得権益を失いたくない官僚の抵抗は大きいでしょうが、多くの独立法人を統廃合するべきです。

●欧米の5〜6倍と言われるムダな公共事業が問題です。
その結果は、赤ちゃんまで含めて国民一人あたり1000万円に達する恐ろしいほどの借金残高となっています。
先進7カ国だけでみても、医療福祉費は最低です。公共事業費は、他の6カ国すべての総合計よりも、日本一カ国の公共事業費がはるかに大きく、突出した異様な土建国家なのです。
道路特定財源の利権に群がる官僚やハイエナ政治屋にとっては、国民のセーフティネットである医療福祉などはどうでもいいのでしょう?

●日本国債を雪だるま式に増発して、その資金でアメリカ国債を買う。
つまり日本国民から借金して、アメリカ国民が散財した借金の肩代わりをしているのです。 そんなバカな円安政策はやめにして欲しいです。一部輸出企業の利益になっても、大多数の国民から富をかすめとっているのですから。
既に買いためたアメリカ国債を徐々に売却して、日本国債の発行残高を減らせばいいのです。 少々円高に揺れても、輸出企業の利益は減少しても、国民はその分購買力も上がり豊かになれます。円高は国力の相対的増強でもあるのです。

●輸出企業への消費税の戻し制度?が問題です
 自動車や電気機器など輸出製品に対して本来は5%の消費税がかかるはずですが、それを免除して戻しています。その中には基材・部品メーカー、下請け関連企業がすでに払った消費税分が含まれています。その分まで戻すのですから、輸出企業はその消費税分が丸々懐に入ります消費税が上がれば上がるほど有利になる仕組みです。実におかしいではありませんか?

●宗教団体、宗教法人へも課税するべき
 公共性が大きい医療法人へは厳しく課税しています。宗教法人へは不課税です。これもおかしいですね。税率は考慮するとしても、無税はおかしいです。
 彼らの集票力におもねいています。宗教法人を隠れ蓑に、その活動実態は説明するまでもありません。なにせ最大の宗教団体と手を組んで政権を維持しているのですから




しわ寄せを医療福祉予算削減に押しつけないで欲しい。
これらのツケが、もっとも抵抗が弱いところ、国民への医療・福祉の後退という形で、「社会保障費」削減に回されてきました。不当にも、またさらに削減されようとしています。
政府はあえて特別会計には触れず、御用聞きマスコミもつっこみません。そればかりか政府の医療福祉費削減キャンペーンの一翼を担って、国民を扇動し、医者を悪者に仕立て、現在進行中の医療崩壊を招きました。


政府の選挙公約通り、これらの最大のムダを先ず削って必要な処へ回すべきです。
行政法人の多くがムダであることは誰の目にも明らかです。各省庁や政治家の利権も絡み、官僚や族議員の抵抗が強く、まったく整理されようとしていません。
いくら行政改革とかけ声をかけても、まず本丸から、官僚王国そのものを改革しなくては、どうにもなりません。

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以上が結論であり、上述の浪費を削減すれば、増税しなくても、十二分に財源はあります。
連結予算で見ると、現在すでに、
歳入が290兆円、歳出が260兆円、
30兆円の余剰金 があります。

医療福祉予算を倍増する財源は十分あるのです。

                                             2007.4.10 記



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