患者さん向けのやさしい医療情報

スポーク外傷

  :自転車の後部に子供を乗せないで




 かわいい子供さんやお孫さんを自転車の後部座席や荷台に乗せて、悲劇をまねくことがよくあります。注意してください。


 単なる捻挫や打撲・切傷などとちがって、
内部組織の挫滅をきたしていることが多く、見かけ以上に重傷のことも多いです。1〜2日経って、皮膚が壊死を起こしてくるようなこともあり、皮膚移植が必要なこともあります。

 
 以前、まだ私が病院に勤務していたとき、若い母親が、バイクの後部に5歳ぐらいの愛娘を乗せていて、スポークに足をはさまれた事故は、特に悲惨でした。

 
足首からかかとが大きく壊死して、内部の腱や神経・骨が露出してきました。
普通の皮膚移植では不可能です。
皮下組織ごと移植する必要があります。
ヨガの姿勢のように両脚を交差させて、両脚の骨に大きなスクリューをねじ込んで創外固定しました。壊死したかかと部分を反対側の大腿前面に貫通させて埋め込んで約3週間、ベッド上安静です。
皮膚や皮下組織が生着した後、切り離しました。
切り離した反対側の大腿部分には大きな皮膚欠損が生じて、そこにも皮膚移植が必要でした。
腹部から皮膚をとってきて、そこにも二次的に皮膚移植をおこないました。
 結局、
両下肢にみにくい傷跡と関節可動域制限を残しました。今思いおこしても大変なけがでした。








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     2006,9,30






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