「埋蔵金」騒動、暗闘の歴史再び  特別会計めぐり、政治VS官僚

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/108595/ より転載しました。もとのソースにお当たりください。



 埋蔵金騒動でスポットが当たった特別会計財務省ではなく、各省庁が所管している。
一般会計と違い、国会の監視の目が届きにくいため、「無駄遣いの温床」と言われ、政治家と官僚組織は長い暗闘を続けてきた。

小泉政権発足後、この暗部にメスが入りつつあるが、闇はなお深い。
「埋蔵金騒ぎ」は、政治家と官僚の対立再燃だけでなく、各省庁の思惑と結びついた自民党族議員を交えた抗争に発展する可能性もある。(大谷次郎、尾崎良樹)

 特別会計の歴史は古く明治23年に特定の事業について収支を明確にするために導入された。それが戦後の高度経済成長と歩調を合わせるかたちで、規模が急拡大、対象事業も年々増え、複雑化していった。
 そうした中で起きたのが、平成10年以降相次いだ、年金特別会計にかかわる大規模年金保養リゾート「グリーンピア」の破綻(はたん)問題や、労働保険特別会計を舞台にした13年のKSD事件だった。

 特別会計にメスを入れたのは13年に発足した小泉政権だった。
塩川正十郎財務相(当時)が「母屋(一般会計)がおかゆで辛抱、節約しておるのに、離れ座敷(特会)ではすき焼きを食っておる」(15年2月、衆院財務金融委員会)と痛烈に批判。
「財政制度等審議会」に小委員会を設け、特別会計の見直しに着手したのだ。
これと連動した自民党の行革推進本部の動きに官僚の抵抗は激しかった。

 17年10月、自民党行革本部特別会計改革委員長を務める太田誠一元総務庁長官が各省庁の官房長に「とにかくすべての特別会計の繰越金と積立金を全部出してくれ」と指示すると、各省庁は電話帳のような資料をドンと出して、「収入も支出もすべて情報開示しています」という非協力的な態度だったという。

 その太田氏らの精査で小規模な特別会計でも1兆円規模の内部留保金が積み上がっていることが判明。多くの特別会計で同様のケースが明らかになった。

 こうした経緯を経て、18年5月に行政改革推進法が成立する。
18〜22年度で31あった特別会計の漸減や、積立金・剰余金の縮減を決定。
今年3月に成立した「特別会計に関する法律」では、特別会計を17に統合し、剰余金を国債返済に充てるルールが決まった。

 それでもなお、平成18年度末の特別会計の積立金は総額196兆円。19年度予算の歳出総額は約175兆円もあり、一般会計の2倍に達する。

 特別会計改革には、各省庁と深く結びついた自民党族議員の根強い抵抗がある。
埋蔵金騒ぎを機に、与党内で総選挙前の「バラマキ特需」を求める声につながるのは確実。
福田康夫首相の采配(さいはい)次第では、小泉政権で起きた郵政民営化をめぐる攻防のような政府・自民党内の激しい内部闘争に発展する可能性もある。




(院長感想)
 今回の埋蔵金騒ぎも、単なる自民党内での私利私欲にからんだ争い事です。選挙対策目当のばらまき財源探しに過ぎません。国民をバカにしています。
真の行政改革のためのものではありません。まったく失望させられました。

将来ともに医療福祉財源などに充当すると言うのならまだしも許されるのですがね。

 真の行政改革のためには、この官僚どもの牙城・合法的国家財政の横領組織・天下り官僚のために寄生虫として存続し続けている特別会計に鋭く切り込んで大胆に整理し、縮小削減しなくてはなりません。
マスコミもそこらを切り込み掘り下げて、国民へ報道するべきですが、「見ざる・聴かざる・言わざる」を決め込んでいます。巨大な闇の国家権力が恐ろしいのでしょうか??

 それにしても官僚の抵抗はすさまじく狡猾です。それに連んだ族議員どもの抵抗もまたすさまじいですね。




  
    2007,11,10




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